キリル文字のはなし
キリル文字とロシア文字とは、厳密に言うとかなり違う。ロシア文字は、ロシアで使われる文字であるのに対して、キリル文字はロシア文字を含めたその文字体系の総称を言う。
キリル文字は、もともとキリスト教伝搬のために作られた文字であった。昔のキリスト教は、現地の言葉では伝搬されることなく、ギリシア語、ラテン語、ヘブライ語の3つの言語のみであった。しかし、ロシアなどのスラブ民族にキリスト教を伝える際にむ、スラブ語で伝えようと聖書や福音書の翻訳をおこなったわけである。当時のギリシア語ではなかった音がスラブ語にはあったので、ギリシア文字に改良をくわえ、スラブ人の聖書伝搬の役割を担ったのが、グラゴール文字とキリル文字である。
キリル文字は、ロシア語のほかに、ブルガリア語、セルビア語、マケドニア語、ウクライナ語、ベラルーシ語、モンゴル語などで使用される。その他、カレリア語などフィン系統の一部の言語を除く、ロシア連邦の言葉でも使用される。さらに、CISでは、カザフ語、キルギス語、タジク語などでも使用されている文字体系である。ただし、ウズベク語はソ連時代はキリル文字であったが、現在はラテン文字に戻されている。ウズベク語は、ロシア革命前がアラビア文字、革命後のしばらくの間はラテン文字、そして近年まではキリル文字、現在はラテン文字という複雑な歴史をもつ言語である。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)



最近のコメント