カテゴリー「ロシア語学」の13件の投稿

ロシア語学の概説=調音器官とその大分類

久々のロシア語学の概説です。

音声学について一般言語学観点から見ていったのが、前回までの内容ですが、ロシア語音声学に入るまでに、まだしばらく一般的な話が続きます。

nightネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

night前回 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_2137.html

今日は、調音器官という概念の紹介と、簡単な分類を行いたいと思います。解剖とかが苦手な人は聞かないほうがいいかもしれないですね。私も、解剖は嫌いなのですが、音声学を説明する上で大事なことですので、、、。

調音器官とは、その名のとおり、調音(人間が言葉を発する)時に使用する体の部分を言います。例えば、口とか鼻とか喉なんかはそうですね。手はどうかというと、ボディランゲージとか手話とかには用いますが、言葉を発するときには使用しないために、手とか足とかは調音器官とは言いません。

さて、調音器官は、大きく次の2つに分類されます。(肺や気管を下部調音器官、喉の声帯を中部音声器官、口や鼻の内部を上部音声器官と区別しているが、ここでは別の分類をします)

①上部調音器官=鼻や口蓋、上の歯など話すときに顎の運動によって動かない部分。

②下部調音器官=舌や下の歯等、顎の運動によって動く部分。

さて、音声学では、同じ舌であっても、舌先なのか中央なのかそれとの舌根を調音時に使うのかによって違うおおとなるため、解剖学的に同じ舌であっても、さらに下位分類を行います。次回は、それを紹介したいと思います。

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ロシア語学の概説=調音音声学とは?

eyeネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

eye前の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/2_fafe.html

今までは、人間の音が物理的に見てどのような特徴を持っているのか?ということを簡単に解説してきましたが、音とは何か?ということにも関係してきましたので、理科系のことで難しかったかもしれません。

さて、いよいよロシア語の音について解説があるのか?といきたいのですが、もう少し一般言語学の話をさせていただきたいと思います。

今日からは、p23の調音音声学というところをみていきます。

調音音声学とは、人間がどうやって言葉の音を出しているのか?例えば、/a/という音は人間の器官のどの部分をどうすることによって音を作り出しているのだろうということを明らかにしていく音声学の一分野です。

簡単に言うと、人間は口、鼻、喉、肺などの器官を用いて言葉を音として発しているわけですが、それらを使って言語音を作ることを調音と言います。また、調音に関係する器官のことを、調音器官と言います。

次回は、調音器官について簡単に分類したいと思います。

さて、、、音響音声学も物理学や音響学と近かったのに対して、この調音音声学は解剖学(生物学)と近い学問とされます。耳鼻咽喉科の先生が通院の際に説明してくださる器官名が多く出てきますので、私は理科系が苦手だと言う人はさらりと流してくださいね。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音声分析装置2

downwardleftネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

downwardleft前回の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/1_ae06.html

さて、今日は引続き、音響音声学の分析器具について紹介したいと思います。前回は、音の波の波形を解析するオシロスコープでしたが、今回はスペクトログラムという機械です。

スペクトログラムは、横軸に時間を縦軸に周波数(ヘルツ)を持ってきて、強いころがより黒くなって現れるという分析装置です。

Spec 例えば、右の図の縦軸の0Hzと7500Hzのところを見ていると、0Hzの領域の音声は/u/や/a/の母音のところが強く現れ、子音は濃くなっていないですが、7500Hzの領域の濃さはあまり変わっていないということが判ります。

ちなみに、人間の声というのは、ひとつの周波数の音からできているのではなく、この装置からも明らかなように、/a/という音でも強い弱いはあるもののいろんな高さの音が合成されてできているということが言われています。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音声分析装置1

音声の物理的特徴を解析する装置に、オシロスコープというものがあります。もうひとつ、スペクトログラムという装置もあるのですが、それは次回に紹介したいと思っております。

typhoonネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

typhoon前回の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_e092.html

オシロスコープという装置は、時間を横軸に、音の大きさと高さを波形で表わしてくれる装置です。音が無ければ波が無く、高い音にぶつかると波自体の振動頻度が大きくなり、大きい音になると振幅の上下の幅が大きくなるという分析装置です。

例えば、rubashkaという音声をオシロスコープで分析すると以下のような結果が得られます。以下の画像をクリックすると、大きい別ウインドウで開きます。

Oscilogramm

/r/という先頭の音が始まるまでは、音声が無いので振動はほとんどありません。

/r/から最後の/a/まで音の波の幅が変化していますが、これは音声の大きさが変化しているということです。例えば、/u/のところでは随分音が振動していますが、/k/のところでは音がほとんど揺れ動いていません。

これがオシロスコープによる音声解析の一例です。

また、このように、装置を使って音声を分析していく方法を実験音声学といいます。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音の長さ

ロシア語学の続きです。音の特徴についての3つのめ記事です。

復習ですが、音は、高さ、大きさ、長さ、の3つの特徴で区別されます。

今日は、音の長さについて検証したいと思います。

dramaネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

drama前回の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_e092.html

音の高さはヘルツ、大きさはデシベルという単位でしたが、長さは特別な単位ではなく、秒という時間の単位を用います。

例えば、ロシア語の平均的な発話において、同じ/a/という母音であっても、発話時間の長さに差異があるとされます。

例えば、

сад

сады

садовод

の赤字で示した/a/は、ひとつめが1.5秒、ふたつめが1秒、最後が0.5秒で発話されると言われています。

次回は、音響音声学で用いる音声分析器具について紹介したいと思います。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音の大きさ

久しぶりの再開になりますが、ロシア語学の音声学の概説の続きです。

復習しておきますと、言葉に限らず、音は「高さ」「大きさ」「長さ」の3つの特徴によって区別されていますということでした。

baseball前の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_db04.html

baseballネタ本の紹介 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

さて、音の大きさなのですが、音の振動の激しさ、つなり振動の波が大きいほど、強い音、大きい音となります。逆に小さい音ほど、波が小さいということになります。

音の大きさを表わす単位を「デシベル」(単位:dB)といいます。

ちなみに、人間の声ですが、ひそひそ声が10から20dB、個人差もあるのですが通常の発話は40から60dBと言われています。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音の高さ

引き続き、音響音声学の記事で、、、

今日は音の高さについて簡単に見ていきます。

p17です。

hairsalonネタ本 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

hairsalon前の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_db04.html

人間の声で低い声の人、高い声の人いろいろといらっしゃいますが、また自然界の音でも低い音甲高い音というように、「音の高さ」は物理的に説明しますと、一定時間の振動の回数によって左右されます。

例えば、1秒間に60下位振動する音と、10回しか振動しない音とは、高さが異なっており、回数が多いほど高い音になります。

そして、1秒間に何回振動するのかという単位を「ヘルツ」と言います。

例えば、60回振動すれば60ヘルツ、10回振動すれば10ヘルツとなります。ヘルツの略語は「Hz」です。

人間の耳に聞こえる音と聞こえない音があります。例えば、ご存知のように、イルカとかねずみとかはすごい超音波の振動を出しているとされ、人には聞こえない音もあるのです。人間が聞こえる音の高さの範囲ですが、個人差があるものの16Hz~20,000Hzとされます。

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ロシア語学の概説=音響音声学の基礎=音とは?

ロシア語学の今日の2つめの記事です。

flagネタ本紹介 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

flag前回の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_c701.html

ロシア語の個々の音の性質とか子音体系、アクセントの特徴、音節の構成、音韻現象などの話はしばらくお待ちいただきまして、まだまだ一般言語学的な話が続きます。

音声学は言葉の音の特徴を研究する学問である

と以前書きましたが、人間の言葉の物理的な特徴はどうなっているんでしょうか?言葉に限らず、音とはどんな特徴を持っているのでしょうか?というのをまずまとめておきたいと思います。

言語学は人文科学に属しますが、音声学の音の物理的分析を行う分野を音響音声学といいますが、この分野はおもいっきり物理ですね。理科系が苦手な方は、適当に聞き流してくださいnote

人間の言葉に限らず、音一般は、空気の振動です。空気がないとまず音は発生しません。何らかの作用が起こって、空気の波が生まれたとき音が発生します。例えば、机の角に足をぶつけたとします。「ドン」という音が出ますが、机と足が接触することによって、空気の振動が起きることによりそれが生じます。

もちろん、人間の声の音は、空気を吐き出す、もしくは吸い込む場合もあることによって、口や鼻や喉のどこかにぶつけることにより、空気の振動を起こすものとされます。

もちろん、この世の音にはいろいろな種類があるかと思います。低い音、大きな音、長い音など、いろいろな音の種類がありますね。

音は、高さ、強さ(大きさ)、長さなどの特徴で区別されます。

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ロシア語学の概説=音声学の研究の方法の分類=

引き続き、ロシア語音声学についてみていくわけですが、もうしばらく一般音声学的な話が続きます。

ネタ本紹介 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

前回の記事 http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_a849.html

引き続き、p16-17ページの音声学の概説のところをかいつまんで話をしたいと思います。

音声学を研究するとひとことに言っても、いろいろなアプローチの仕方があります。

例えば、現代ロシア語の母音の種類とかその音響的な特徴、アクセントの性質とか、どんな子音があるのかという共時的な観点でロシア語の音声を研究する、とにかく昔のロシア語とか方言の音声的な特徴は無視して、現代の標準ロシア語の音声について研究しようというようにやることを、記述音声学といいます。

それに対して、昔のロシア語には鼻母音が合ったが、今のロシア語にはない、それはいつごろ消えて現在ではどういう音になっているのか、またなぜそういう変化が起こったのかという歴史的にロシア語の音がどう変遷してきたのかという観点で研究する音声学のことを、歴史音声学といいます。

さらに、ロシア語の母音は音素的に5個なのに、アラビア語では3つしかないとか、アプハズ語では2つ、ドイツ語ではもっとたくさんあるぞという、ロシア語と別の言語の音声的な特徴を比べるという観点の音声学を対照音声学といいます。

最後に、ロシア語とか日本語とか、フランス語とか、中国語とか個々の言語の音声的特徴を見るのではなく、人間の言葉の音声的な特徴を見ていくという音声学を、一般音声学といいます。

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ロシア語学の概説=音声学とは?=

前回紹介した本の音声学(ФОНЕТИКА)の項目から簡単に紹介したいと思います。

本をお持ちの方がいらっしゃいましたら、第一巻の16pを開いてください。

ネタ本の紹介ページ http://jazykoznanie.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_5d7e.html

ロシア語学、ロシアの言語学では、いわゆる一般言語学の音声学・音韻論の区別をすめことは稀で、それらをひっくるめてФОНЕТИКАと呼びます。

まず、この本では、音声学とはどんな学問かというのが紹介してあります。

音声学とは、、、言葉の音を研究する学問である。

ということです。

当たり前といえば、当たり前なのですが、これはすごく大事なことです。人間は言葉の音と自然界にあるその他の音(音楽、雑音、機械音、動物の鳴き声など)と区別しています。音の性質を研究する学問一般を音響学といいますが、音声学は「人間の言葉の音」を研究する学問なんだということなのです。ただし、音響学でも人間の言葉の音も研究しますので、音声学は音響学の影響をすごく受けています。

そして、音声学は、他の言語学の領域(例えば、形態論、語彙論、統語論)と異なって、意味を研究対象としない学問です。これについては、「音素」という概念が出てきたら詳しく紹介したいと思います。

つまり、哲学的な用語を使うと、音声学とは、人間の言葉の物質的側面を研究する分野なんだということも書かれてあります。

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ロシア語学の概説=序説=

ロシア語学=ロシア語文法ではない。

ロシア語文法とは、ロシア語実習のひとつで教授されるものであって、科学的な分析ではないからだ。例えば、こういう語がこういう変化をしますよという類ではなく、もっと高次なレベルのことである。

ロシア語学では、語彙を分類したり、ある現象がなぜそうなるのかというのを説明したり、ただ単にロシア語会話とか文法や音声の練習ではないからだ。

そういう意味で、言語学に近く、もちろん言語学の「ことばに関する研究」という目指すべきものが、ロシア語のみとなったのがロシア語学と考えていただいてよい。

ロシア語学の紹介する日本語のサイトはまずないと思う。また、日本語でも文法書があっても、なかなかロシア語学全体を俯瞰するものがない。

故に、ロシア語のロシア語学の本から、要点をかいつまんで説明して説明していきたいと思う。また、ロシア語の本の方がより充実した内容が得られるからだ。

さて、数あるロシア語学の教科書から、私は次の本を選びたいと思う。私は何冊かロシア語学の本を持っているが、次の本が内容が一番充実している。次の本に書かれている内容から必要なものを拾ってきて、音声、語形成、形態、語彙、統語の各分野から基礎概念を紹介していきたい。diamond

901217061 著書名 Современный русский язык. Теория. Анализ языковых единиц. この本は、巻です。

出版社 Академия

著者 Елена ДиброваЛеонид Касаткин Наталья Николина Инна Щеболева

出版年 2002

本の概要 Учебник является теоретическим описанием современного русского языка и практического анализа всех единиц языка: звука, слова, фразеологизма, морфемы, словоформы, словосочетания и др. Каждая единица языка рассматривается в трех аспектах: как элемент системы языка, как представитель определенной категории и как единица словоупотребления. Разбор производится по типовым схемам, таблицам и включает комментарии. Теория языка в учебнике рассмотрена с учетом традиции и современных исследований, а анализ языкового материала в схемах и таблицах представляет собой систему анализа языковых единиц. Единство теории и разбора языковых единиц позволяет эффективно вести процесс самообразования. Учебником могут пользоваться также преподаватели русского языка, аспиранты и все интересующиеся проблемами современного русского языка.

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ロシア語学について

ロシア語を研究するということは非常に面白いものがある。

ロシア語の複雑さを科学的に分析していくというのが、何よりもネックとなってくる。音声、形態、統語、語彙、歴史、文字、歴史等いろいろ複雑な現象があって面白い。

ボードワン・ド・クルトネという大学者が生まれたのもロシア語があったからであろう。ロシア語が複雑でなければ、音韻論や形態論はロシアで発達しなかっただろう。言葉を鋭く観察する学者だけでは、研究が進んだりしない。

まず、ロシア語音声学だが、何よりも面白いのが母音の数であろう。音素という定義にも関わってくるので、この問題はすごく面白い。モスクワ学派とペテルブルグ学派とでは音素の考え方が異なっている。硬口蓋化音と非硬口蓋化音の対立も面白い。他に、アクセントの問題もある。ロシア語のアクセントと母音の問題も興味深い。

形態論では、まず語形成の諸問題が面白い。ロシア語では、語形成が盛んで、様々な接辞が付いて新しい語が作られる。それらの形態素を分解していき、整理していけばなかなか面白いテーマが見つかるだろう。さらに、品詞に関する研究も面白いだろう。語形変化する品詞(名詞、動詞、形容詞、数詞、代名詞)の形態の豊富さには驚かされることであろう。また、私が特に面白いと考えているのが、アスペクトの問題である。完了・不完了、一回・多数回等、瞬時・継続の動作様態を、文法的な形式にて2項対立にしているという特徴である。いわゆる、完了体、不完了体の問題である。

統語論では、語順の問題であろう。ロシア語の語順は、テーマ・レーマ(既知、未知)と密接に結びついているとか、非常に興味深い現象である。ただ、私ははっきり言ってロシア語統語論はこのテーマ・レーマの問題以外にはあまり興味はそそられない。

語彙論も面白い分野である。ロシア語には同義語が多く、その使い分けや用法を研究するのが最も面白いと思う。

とにかく、ロシア語が複雑であるのが、ロシア語学もしくはロシアの言語学を面白くしていることには間違いないと思う。語形変化や語彙数等、また複雑な音韻現象がないとおもしろくないではないか、、、。

ロシア語学については、これから少しずつ説明していきたいと思います。

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ロシア語史に関する所感

ロシア語史について語るとき、皆さんはどんな方面に興味を持ちたいと思われるだろうか?

もちろん、歴史音韻論だ!という人もいるだろう。昔のロシア語には、現代ロシア語とは違って鼻母音があったとか、古代ロシア語の音節は全て開音節(母音で終わる音節のこと)だったのに、どうやってそれがくずれていったのかとか、ロシア語の音の歴史を見ていくという手段である。

また別の人は、歴史形態論だ!という人もいるだろう。昔のロシア語には呼格という格があったとか、完了、不完了のアスペクト(ロシア語学では、「体」とよぶ)の対立が顕著ではなく、もっと時制が複雑であったとか、形容詞の短語尾は未知の情報を、長語尾は既知の情報を与えてくれていたとかである。

さらに、語源学に興味がある人も出てくるだろう。время(時間)は、вертеть(回転する)という言葉と共通語根を持つ(意味の上でも形のうえでも結びつけられる)ち、昔のロシア人は時間という概念を四季のように、ぐるぐる回ってくるものとして捉えていた。というような研究である。

また、別の人は他の東スラブ語(ウクライナ語とベラルーシ語)と結びつけたり、方言論と結びつける人もあるだろう。さらにそれより昔にさかのぼって共通スラブ語(スラブ祖語)や他の印欧語と比較する、印欧祖語からスラブ祖語へそして古代ロシア語から現代ロシア語へと歴史的変遷を見ていくとなれば、これはロシア語学の世界のみならず、スラブ語学、印欧語学の世界となるだろう。

どちらにしても、ロシア語の歴史を学ぶのは面白いと思います。ロシア語学をするのなら、この方面のことも少しは勉強されるとよいかと私は思っていますが、

ロシア語は幸いにも系統がはっきりとしている言語です。こういう言葉の歴史を研究するとなると、例えば系統の不明な日本語の歴史を研究する、学ぶことよりも、ずっと楽で体系化されていて、非常に面白く感じられることでしょう。

日本語でロシア語史を扱った本はあまりないので、ロシア語で勉強されるといいかもしれません。また、本は後日紹介ということで、、、

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